世界名作劇場 ペリーヌ物語MINIサイト:ナレーション

世界名作劇場.net 小公女セーラ研究サイト

世界名作劇場.net ペリーヌ物語 MINIサイト

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このページでは、主に『ペリーヌ物語』と『小公女セーラ』を、比較・考察しています。

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お話の進行上、欠かすことのできないナレーション。その違いを比べてみます・・・


優れた旅のナビゲーター
ペリーヌ物語では、専門のナレーターが担当し、視聴者に近い、第三者的な目線から物語をリードしました。状況説明・時代背景・心情の代弁等、要所で視聴者をサポートするナレーションが使われています。こうした構成により、見る者は違和感なく、物語の世界に入って行けました。

また、お話を客観視する感覚を残したことで、私たちはペリーヌさんを応援し、その悲しみや苦しみ、喜びに共感することができました。ストーリーとの適切な距離感を保って、作品を楽しむことができたとも言えるでしょう。

<ペリーヌ物語 ナレーション実例>

●ペリーヌ物語第18話 作中ナレーション●

とうとうペリーヌ達は、馬車を売ってしまいました。そしてパリカールも、やがては手放すことになるでしょう。でも、お母さんが元気になれば・・・ペリーヌは今、ただそれだけを、心から祈っているのでした。

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パリで母マリさんが重篤となり、家財道具一切を売却する事態にまで追い詰められつつある場面です。彼女たちの生活の場でもあった馬車を売却したことで、旅を続けることはほぼ不可能となり、そのあとに来る母の死も薄々予感させるシーンですが、状況説明に徹した文言で、あっさりと事実を述べるにとどめています。視聴者の不安を煽るような印象はありません。


感情移入し過ぎると・・・
一方、小公女セーラでは、セーラさん自身がナレーターも兼任し、彼女の独白にも似た言葉によって、お話を進行させました。そしてこのナレーション形式は、見る者を、ひたすらセーラさんの内面をたどる旅へと向かわせました。

そのため、私たちは、ややもすれば彼女の想いに入り込みすぎて、その辛さばかりが先行し、ストーリー全体を追い切れないこともあったのではないでしょうか。辛くてとても見ていられない、というような声は、このあたりから生じたものと思われます。また、それこそが小公女の魅力、という意見も当然ながらありますので、解釈が難しいところではあります。

<小公女セーラ ナレーション実例>

●小公女セーラ第11話 次回予告ナレーション●

お父様の死によって全てを失った私は、階段を上り、やがて一つのドアの前で立ち止まります・・・

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これは、セーラさんがメイドへと転落する場面の予告編ですが、おそらくは意図的に、敢えて簡潔な表現がとられ、しかも全てを語り尽くさず余韻を持たせることで、視聴者に、この先彼女を待ち受ける苦しみの大きさを予感させます。

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