このページでは、主に『ペリーヌ物語』と『小公女セーラ』を、比較・考察しています。
二人の少女はともに、最愛の両親との永遠のお別れを経験します。はかり知れないこの悲しみが、二人に及ぼした影響とは・・・
愛の意味を知る
親子の旅の終わり。母マリさん最期の願いも叶わず、ペリーヌさんはパリにひとり、取り残されます。遂に両親を失った彼女は、物語中盤にして早くも、大きな試練に直面してゆくのです。 このことから、ペリーヌさんにとって母の死は、大きな喪失であると同時に、以後の自らの生き方を強く決定づける出来事であったとも、言えるでしょう。まさしくお母さんは、その身をもって、我が子に人として最も大事なものを授けたとも捉えられます。 |
寄る辺なき悲しみ
お父様を悼み、黒いリボンをかけて、これまでの自分に別れを告げるセーラさん。天涯孤独の身となった事実を受け入れ、明日をも知れぬ暮らしに向かいます。しかし待ち受ける現実は、彼女の予想をはるかに超えるものでした。 つまり、セーラさんにとって、父の死は大きな喪失感を伴う以外の何物でもなく、残念ながらお父さんの最期の想いが彼女に届くことはなかったのです。以後、悲しみの中から生きる強さを見出していったのは、セーラさん本人の力による所が大きく、そのアプローチはペリーヌ物語とはやや異なりますが、結果としてセーラさんの人格形成・人間的成長を促したという点では、ペリーヌさんと同様の捉え方ができるでしょう。 |
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