まだ見ぬお父さん、お母さんに会うため、入れ替わったふたり。初めて降り立った街で、夢のような生活が始まりました。期待と不安、そして新鮮な驚きに満ちた毎日を、ちょっとだけのぞいてみましょう。
作戦開始!!
入れ替わり作戦を発案したのはロッテさんでしたが、実行を強く主張したのはルイーゼさんでした。この大作戦に備えて、夏季休暇が終わるまでの1ヶ月間、ふたりは互いの生活環境や人間関係について、出来る限りの情報交換を行いました。そしてそれぞれ、1冊のノートにまとめて、見知らぬ街へと向かったのです。
新生活開始後、始めは局留め郵便で連絡を取り合う予定でしたが、弾む毎日は待ってくれません。途中からは、危険を承知での電話連絡も。声色を使ったり、掛ける時間を打ち合わせてみたりと、工夫や努力を重ねました。
では、いくつかのトピックに分けて、わたしとわたしの奮闘ぶりを見てみましょう。
*家事全般 名コックと迷コック
ロッテ・ケルナー in ウィーン
ルイーゼとして、ミュンヘンのお父さんのもとへと帰ったロッテさん。小さな主婦として培ってきた能力を発揮して、お食事の用意からお父さんのアトリエのお掃除まで、何でもそつなく、こなしてしまいます。
その変わりように、お父さんも家政婦さんもびっくり。なにしろ、天真爛漫なわがままお嬢様が、急に優秀な主婦になってしまったのですから。
お父さんは、このあまりに大きな娘の変化を、子供の感性が成せる技、として納得してしまいました・・・
ルイーゼ・パルフィー in ミュンヘン
ロッテになって、ウィーンでお母さんと暮らし始めたルイーゼさん。これまで、おうちのことなど、何一つしたことがありませんでした。それでも小さな主婦として、ロッテを演じなければなりません。早速、忙しく働くお母さんのために、と初料理に挑戦。
大胆すぎる料理法のせいで、努力の甲斐なく、お台所を大破させただけで結果は散々でしたが、お母さんとの距離は縮まったようです。
お母さんは、娘の変化を感じ取りましたが、全てを優しい母性愛で包み込み、何も詮索してはきませんでした。母と娘の間には、固い信頼関係があったのです。
*学校生活 仲間思いと優等生
ロッテ・ケルナー in ウィーン
学業優秀なロッテさん。各学科で満点を取り、お友達にも勉強を教えてあげる献身ぶりを示します。授業態度も熱心で、花壇の水やりや、お裁縫仕事まで・・・
ちょっと短気で、算数はからっきしのルイーゼさんとは似ても似つかないその様子に、学校中の話題になってしまいました。
でも、体育の時間はもっと大変です。運動大好きのルイーゼさんに対して、ロッテさんは鉄棒も水泳もダメなのですから・・・
ルイーゼ・パルフィー in ミュンヘン
ロッテが変わっちゃった?おとなしくて優等生のはずが、急に活発になってお勉強の方が・・・でも、人一倍正義感の強いルイーゼさんは、クラスのいじめを見逃しませんでした。
果敢にいじめっ子と戦うルイーゼさん。たとえ、自分の立場が危うくなったとしても・・・この仲間思いの性格は、ふたりに共通した美点ですね。
でも、お母さん共々、先生に怒られる羽目になってしまいました・・・
*ピアノレッスン 天賦の才能と・・・
ロッテ・ケルナー in ウィーン
ロッテさんは、ピアノの技量も一流でした。世界的音楽家のお父さんは、ルイーゼさんに音楽的才能が無いことを、少しだけ残念に思っていましたが、偶然目にしたロッテさんの演奏に驚愕!
娘の天才的な才能が開花したと勘違いして、本格的なレッスンを受けさせようとします。
そして、格段に腕前を上げていったロッテさんは・・・
ルイーゼ・パルフィー in ミュンヘン
ピアノレッスンなんて大っ嫌い!外で遊ぶ方がお気に入りのルイーゼさんでしたが、彼女の変化を不審に思う同級生の画策で、ピアノ発表会に出ざるを得なくなってしまいました。
ピアノなんて弾けない・・・絶体絶命の大ピンチに、救いの手を差し伸べてくれたのは・・・ああ、やっぱりロッテさんでした。
運よくお父さんの公演でミュンヘンに来ていたロッテさんと入れ替わり、何とか切り抜けました。小さなピアニストとしても評判となり、一安心です。
*小さな探偵団
ロッテ&ルイーゼ in ミュンヘン
ミュンヘンで再会したふたり。たった一つの願いをかなえるため、お父さんとお母さんの気持ちを確かめようとします。なぜ別れてしまったのか、まだお互いのことを好きなのか・・・
こうして、かわいい変装姿での探偵活動が始まりました。小さな名探偵ホームズ&ワトソン君は、ドイツの地でも輝けるでしょうか。
そして、ついにお父さんとお母さんを再会させることができました。
果たして、その結末は・・・
*成せばなる? 努力は才能の母
ロッテ・ケルナー in ウィーン
運動が苦手なことで、クラスメートに正体を見破られそうになったロッテさん。思わぬところから性格の違いまで見抜かれて、もはや入れ替わりがばれてしまうのも時間の問題、かと思われましたが・・・
目の前で川に落ちてしまったお友達の弟君を助けるため、夢中で水の中に飛び込んだロッテさん。そして・・・
気付けば彼女は泳げていました!これをきっかけに、ルイーゼとしての評判(?)も上がり、鉄棒も見事にクリア。またひとつ、成長できました。
ルイーゼ・パルフィー in ミュンヘン
ピアノだけはロッテさんの応援を仰いだルイーゼさんでしたが、持ち前の行動力で何事にも努力は惜しみませんでした。
ちゃんとしたロッテ(?)になりきるため、切り傷だらけになってのお料理教室に、徹夜でのお勉強・・・
その甲斐あって、家事全般、うまくできるようになりました。ふたりめの小さな主婦の誕生です。算数だって、もう苦手科目ではありません。
こうして、ゼービュール村の湖畔から始まった大冒険は、ふたりの少女を大きく成長させてゆきました。
互いに初めて知るお父さん、お母さんの味をかみしめながら、異郷の地で一生懸命毎日を生きるふたり。ところが、幸せな時間は長くは続きませんでした。お父さんが、とうとう再婚を決めてしまったのです。この家には新しい母親が必要だ、それが娘のためである、と信じて・・・
このままじゃ、今度こそ家族が本当に離れ離れになってしまう・・・
思い詰めたロッテさんは、意を決して婚約者のゲルラハ嬢を訪ねますが、冷たく拒絶され、雨のウィーンを一人彷徨うのでした。そしてその頃、お母さんとベルナウ編集長の接近を思い悩むミュンヘンのルイーゼさんもまた、胸騒ぎを覚えます。
ロッテに何かあったのでは・・・ふたごは時として、相手の痛みを感じるといいます。そしてルイーゼさんの心配は当たっていました。精神的なショックから、ロッテさんは病気になってしまったのです。
新しい家庭へと去って行こうとするお父さんに、高熱にうなされて苦しむロッテさん。せっかく出会えたのに、またサヨナラしなければならないのでしょうか。
ふたごに最大の試練が訪れようとしていました・・・
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