物語の後半、マロクール村での描写。自然の中で強く生きる姿が印象的ですが、秘書に登用されたあたりからは、相次ぐ深い苦悩の中で大人びて、やや線の細さも感じさせるようになりました・・・
ペリーヌさんとたどる長い旅・・・その2
オーレリィと名乗り、祖父の経営する工場で工員として働き始めたペリーヌさん。その英語力を見込まれて、臨時通訳のお仕事が舞い込んできました。これをきっかけとして、ペリーヌさんの身辺は次第に慌ただしくなってゆきます。小屋での自由な暮らしと、失敗の許されない通訳という立場。その狭間に揺れる彼女でしたが、これまで培ってきた力で乗り切ってゆきます。
思わぬ形でおじいさんのもとへ。でも、本当の幸せはまだまだ先にあります。 |
巧みな手綱さばきで、祖父専用馬車の御者にもなれました。旅での経験がまたひとつ、活かされました。 |
仕事ぶりが認められ、正式に通訳として祖父のもとで働けることになりました。たとえ今は孫と名乗れなくても、大きな一歩です。 |
孫である事実を告げられぬまま、祖父の私設秘書に抜擢されたペリーヌさん。周囲の羨望と反感を受けながら、懸命にお仕事をこなす日々が始まります。祖父の身近に居られる喜びを、ひしひしと感じる毎日でしたが、同時に、彼の自分や母に対する憎しみや無関心も知るところとなり、小さな胸を痛めます。
お仕事用のすてきなワンピースに身を包み、新たな世界へ・・・ |
これからは、秘書としてより多くの人々と触れ合うことになるでしょう。念入りにファッションチェックです。 |
ちょっとひと休み。自由でおおらかなペリーヌさんも、やっぱり素敵です。 |
秘書として祖父に信頼され、近づけば近づくほど、彼の心は遠くにあることがはっきりしてきます。行き場のない悲しみが、秋の空に吸い込まれてゆきます。 |
あなたの孫は、すぐそばにいるんです。毎日秘書として、頑張っているんです・・・ |
祖父ビルフラン氏の信頼を得たペリーヌさんは、ついにお城のような邸宅での同居を命じられます。身内同然の扱いを受けての贅沢な暮らし。豪華な私室のベッドより、藁山のベッドでバロン君と寝転ぶ方を好むペリーヌさんに、お屋敷の召使いさん達も不思議な魅力を感じました。
夢のような豪華なお屋敷。でもそれは、彼女が望むものではありません。 しかしそれはまだ、優秀な秘書オーレリィとしての立場でしかありません。求める本当の幸せを手にするには、父エドモン氏の帰りを待ちわびる祖父に、残酷な真実を告げねばならないのです。苦悩の中、ペリーヌさんの悲しみの色は、日に日に濃くなってゆきました。やがて全てが明らかとなり、衝撃のあまり病に倒れてしまった祖父を、ペリーヌさんは懸命に看護します。そして、その優しさと愛情に触れたビルフラン氏は、ある仮説にたどり着くのでした。 この時期、逃れられない葛藤を経て、ペリーヌさんは一層大人びた雰囲気を醸し出すようになりました。その抑えた魅力は、ラストへ向けて物語を導いてゆきます。
自分と母について語る祖父の言葉ひとつひとつが、ペリーヌさんの心を深く傷つけます。 |
大食堂でのわびしいお食事。お料理は豪華でも、一番欲しい物がないのです。それは・・ |
一人で過ごすには広すぎるお部屋。メイドさんたちの親切にも、戸惑うばかりです。 |
壁にかかった父の肖像画に、思わず立ち止まるペリーヌさん。こみ上げる思い・・・ |
唯一の慰めは、いつも変わらぬ友、バロン君だけです・・・ |
長く苦しい旅は終わりました。祖父の愛を得て、一気に富豪令嬢となったペリーヌさんでしたが、その人間的本質は全く変わりませんでした。憂いや苦悩が取り除かれ、本来の明るさを取り戻した彼女は、素敵なお嬢様になってゆきます。これまで積み重ねてきたものが、彼女に深みと落ち着きを与え、より一層魅力的な少女へと成長させてゆくのでした。
祖父と二人、ペリーヌさん思い出のあの場所へ・・・ |
やっと手にした、求めていた幸せの時間。愛する気持ちが実を結びました。 |
春の訪れとともに、また新たな日々へ・・・第二のふるさと、マロクールのために・・・ |
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