世界名作劇場 ペリーヌ物語MINIサイト:バロンとエミリー

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このページでは、主に『ペリーヌ物語』と『小公女セーラ』を、比較・考察しています。

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二人の主人公を身近で支えるサブキャラクター。両作品で、それぞれ最も重要な脇役とは・・・

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ちょっと間抜けな切れ者
ペリーヌさんの長い旅では、彼女の移動に伴って、サブキャラクターの顔ぶれも変化してゆきます。ボスニアからクロアチア、イタリア、スイス、やがてフランスに入ってパリ、そしてマロクール…母マリさんを始め、マルセル少年、シモン荘の人々、ルクリおばさん、そしてロザリーさん等々、場面ごとに重要なキャラクターが登場しますが、全編を通してペリーヌさんに付き従うのは、迷犬?バロン君です。彼の存在は、ともすれば重くなりがちなストーリーに明るさを加え、この作品に動物アニメ、という側面をも持たせています。そしてロバのパリカールとともに、物語の展開上避けられない最大の危機から、ペリーヌさんを救う大役まで果たします。

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この辺り、人間のキャラクターが配置されてしまうと、予定調和・ご都合主義とも取られかねませんが、そこに動物キャラを持ってきたことで、作品に広がりを持たせることに成功しています。また、ペリーヌさんにとっても、全編にわたって心通わせ合い続ける特定の人間キャラクターが存在しない以上、(お母さんはストーリー前半で亡くなりますし、祖父ビルフラン氏と心が通じ合うのは、物語最終盤です)バロン君は必要欠くべからざる、心の友であったと言えるでしょう。

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とぼけた様子ばかりが印象的なバロン君ですが、実はとんでもなく切れ者の名犬なのかも知れませんね。


セーラさんの分身
セーラさんにとってのパートナー。真っ先に思い浮かぶのはもちろんベッキーさんですが、彼女が重要な役割を演じるのは、主に物語の中盤以降(第12話~)です。その意味では、セーラさん最大の心の友は、愛用のフランス人形エミリーである、とも言えます。父との離別から学内での人間関係の悪化、そして父の死の衝撃へと至る過程では、セーラさんの支えはエミリーしかいませんでした。彼女の中でエミリーは完全に擬人化され、もはやただの高級人形ではなかったのです。そして全てを失い、学院を放逐されるまでの事態に陥っても、セーラさんはエミリーだけは決して手放しませんでした。くじけそうになる小さな心を守った、碧眼の小さな友・・・

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エミリー。その存在は、悲壮感漂う小公女ストーリーの象徴の一つとして、必要不可欠である、と言えるでしょう。

付記:動物アニメとしてのペリーヌ物語と小公女セーラ

バロンとエミリー。人間キャラ以外を配した点では、2作品は共通しています。が、その一方で、動物キャラの扱いは対照的です。バロン君やパリカールに対応するのは、鈍猫?シーザー君やポニーのジャンプですが、作中で果たした役割・重要度を思えば、その差は歴然でしょう。特にパリカールとジャンプは、物語のラストにおいて、極めて似通ったシチュエーションで主人公と再会しますが、その感動の中身には相当な温度差があります。

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ペリーヌさんとパリカールは、あの長い旅を共に過ごした、いわば「戦友同士」として、感動の再会を果たします。互いに言葉は通じなくとも、道中の記憶・母マリさんの思い出など、一人と一頭、思うところは同じであったことでしょう。そしてこれには、当然ながらバロン君も加わります。主人と動物達の、理屈を超えた強い絆。動物アニメの王道路線が、そこには見えてきます。

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セーラさんとジャンプは、彼方に過ぎた良き時代の記憶の1ページとしての再会です。一緒に暮らした期間も短く、そこには、ペリーヌさんたちほどの、強烈なまでの意識の共有は見られません。何より、セーラさん苦境の時期を共に過ごしてはいない、という点が決定的な差です。セーラさんにとっては、亡き父の記憶と共にあるジャンプですが、ジャンプの側にそこまでの意識があるかどうかは、やや疑問視せざるを得ないでしょう。

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どうやら、小公女セーラに、動物アニメと言う側面を見出すことは難しそうです。

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