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オーレリィ。マロクール村で、ペリーヌさんが使っていた名前です。状況打開のためにはやむを得ない措置でしたが、利害なく接してくれるロザリーさんたちに、本当の名前を名乗れない辛さ・・・その一方で、この時期、特に秘書に抜擢された頃のオーレリィさんは、様々な現実の板挟みに苦悩しつつ、抑えた魅力を醸し出しています。管理人としては、ペリーヌ物語の中で『秘書オーレリィ』が、最も好ましく感じられるのですが・・・

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このページは、本編の内容に沿って、秘書オーレリィさんの主なエピソードを再編集したものです。一部、管理人独断の解釈も混じっています・・・

書き下ろし作品 各話読み切り

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渦巻く陰謀、絡み合う人間模様・・・
ここは、フランスでも有数の規模を誇る、パンダボワヌ製糸工場。
マロクールに来て2ヶ月。ついにペリーヌさんは、孫であることを名乗らずに、祖父である大工場主、ビルフラン・パンダボワヌ氏の秘書となったのです。
オーレリィとしての日々・・・

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CONTENTS

第1話.すてきなワンピース~屈辱の高級店~
第2話.秘書室の攻防~翻訳原稿を死守せよ~
第3話.タルエルの追撃戦~遠すぎた電報局~

※このページでは、”オーレリィさん”に表記を統一しています。

第1話:すてきなワンピース

オーレリィさんの華麗な変身

マロクール村の実質的支配者、祖父ビルフラン氏の個人秘書となったオーレリィさん。制服新調のため、親友ロザリーさんに連れられて、村一番の高級店を訪ねます。彼女の注文は、シンプルかつ複雑なものでした。型はなるべくあっさりしたもの・生地は丈夫で軽いもの・お値段は一番安いもの・・・

お母さんが亡くなってからまだ2ヶ月。様々なことがあり、今マロクールでおじいさんの身近にはいましたが、母の死は、いまだ受け入れ難く、心の奥底に残っています。贅沢なおしゃれなど、全く考えてもいませんでした。ところが、年に似合わぬその質素倹約の心が、思わぬ誤解を招くのです・・・

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秘書としてふさわしい服装を。訪れた高級衣料品店で、あしらわれてしまったオーレリィさんでしたが、ここでロザリーさんの友情節が炸裂します。

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狩猟小屋に別れを告げたオーレリィさん。新たなおうちは、こじんまりとした下宿の一室です。

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希望とやる気に満ちた新生活。いつも明るく元気なところは、たとえオーレリィさんとしてであっても、変わることはありません。

第2話:秘書室の攻防

インドからの手紙

ビルフラン氏が、オーレリィさんを私設秘書にした理由。第一には、彼女の信頼するに足る人柄と、通訳としてみせた語学力・対人適応能力などを評価してのものでしたが、深遠な狙いは、パンダボワヌ家の秘密情報管理でした。工場の後継者争いに絡んでくる、息子エドモン氏の消息に関する英語の私信を、オーレリィさんに一括管理、翻訳させようとしたのです。

この措置により、ビルフラン氏にとっては、優秀なオーレリィさんを手元に置いて、重宝使いできることとなりました。が、大役に張り切るオーレリィさんにとっては、新たな苦しみの始まりとなってしまいました。有能な秘書として、彼女はあまりにも重すぎる事実を、次々知ることになったのです。

テオドール氏・タルエル工場長の陰謀 身内と腹心の反乱・・・

帰らぬ息子を探す祖父の悲しみ すべてが虚しい努力なのです・・・

自身と家族に関する悲しい情報 それでも翻訳しなければ・・・

人間不信に陥っていた祖父の姿 愛さないからこそ、愛されない・・・

母に対する祖父の激しい憎しみ 予期していたことでしたが・・・

自分に対する祖父の無関心 ただ、悲しいのです・・・

これらすべてが、オーレリィさんを苦しめましたが、聡明な彼女は、さらにその先に待つ最悪の事態をも、予見してしまいます。それは、今自分が一生懸命頑張っているお仕事がもたらす結果は、お父さん、つまり息子エドモン氏の死亡を伝えるものでしかないということを。そして、その事実が祖父に与える悲しみの深さを・・・

それでも、涙をこらえて翻訳を続けるオーレリィさんを、更なる大人たちの悪意が傷つけます。それは、工場の経営権を狙う、テオドール氏とタルエル工場長・・・

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手紙の内容は秘密厳守・・・祖父の厳命に、緊張感が高まります。

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自分の英語力を、これほど悲しく感じたことはありません。そこに書かれているのは、自分自身の過去をたどる言葉・・・

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悲しい事実を語る知らせ。そうです、彼女は全てを知っているのです。祖父が一番知りたがっていることも、祖父に一番知らせたくないことも・・・

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そして、もうひとつの始まりを告げる、ノックの音・・・

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やはり、やって来ました・・・

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ああ、どうしましょう・・・!

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息つく暇もなく、第2波来襲。

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ジオング撃墜。識別信号解除・・・

第3話:タルエルの追撃戦

遥かなる電報局

インドへの返信原稿を手に、電報局へと向かったオーレリィさん。やがて返ってくるのは、祖父を悲しみの底へと突き落とす電信でしょう。それでも、送信しなければなりません。今のオーレリィさんは、何も知らない有能な秘書、という立場でしかないのです。ためらいを感じつつ歩く彼女の背後に、そっと忍び寄る影・・・電報の内容は、絶対秘密にしなければならない・・・祖父の命令を守るため、静かなマロクールの下町で、必死の追いかけっこが始まりました。

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オーレリィさん負傷。タルエル工場長の乱暴を受けて、足を軽く痛めてしまいました。でも、問われるまでは事実を口にせず、痛みもないと、健気に振る舞います。この事態を受けて、ビルフラン氏はオーレリィさん保護を決意し、ついに自宅での同居を命じます。忠実な秘書のまま、彼女はまた一歩、おじいさんの心に近づいたのでした。けれどもまだ、明日の幸せは見えません・・・

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気配を感じ、先を急ぐオーレリィさん。

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路地裏で展開される追撃戦。

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ついに姿を現した敵・・・

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追い詰められてしまいました・・・

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・・・秘密は守りました。電報も無事に打ちました。でもオーレリィさんは足を・・・

優れた働きぶりで、すでに十分な信頼を得ていたオーレリィさん。電報の秘密を守るため、身を挺してタルエル工場長の追撃を躱し、その引き換えに怪我をしてしまいました。その事実は、オーレリィさんに傾斜しつつあったビルフラン氏に衝撃を与え、ついには彼女を自宅に住まわせるという決断へと導きました。私生活も共にすることとなり、オーレリィさんの立場は、一層複雑で微妙なものになってゆきます。そしてこの決定によって、社長と通いの秘書、という関係は終わり、物語は最後の局面へと、進んでゆくのです。

雪の日のクライマックスまで、あと2ヶ月・・・

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