戦車と女学生が走り回る街、茨城県大洗町では『ガールズ＆パンツァー』の放映を受けて、行政と地元商工会などが一体となった町おこし運動が始まりました。現在、聖地巡礼を目指すファンの皆さんや、戦車マニアの方々の期待に応えるべく、様々な施策が試みられているようです。
最近では他にも『氷菓』の舞台となった岐阜県高山市などが、同様の活動を展開した例があります。たかがアニメ、されどアニメ。一気に知名度を上げて全国区へ！
ここでは、そんな戦車と共に暮らす大洗町の日常について、少しだけ見てみましょう。
渋滞に巻き込まれた戦車道チーム。試合中以外は特別扱い無しなので、一般車に混じって待つしかありません。ドイツの名戦車も、ここでは単なる街の風景のようですね・・・
幹線道路を疾走するⅣ号中戦車。違和感なく、街に溶け込んでいます。
生活道路を行く、聖グロリアーナ女学院のマチルダⅡ歩兵戦車。たとえ他地域の学校の戦車道チームであっても、大洗町では大歓迎なのです。あ、危ない！右です、右！！
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大洗町では、時にコンビニの駐車場も戦闘エリアとなります。それゆえ、その利用規定には独特のものがあるようです・・・
《大洗町内コンビニエンスストア 駐車場利用案内》
１、戦車は前向き駐車をお願い致します。
２、長時間の待ち伏せ駐車はご遠慮下さい。
３、駐車場内での被弾・炎上・故障等に関し、店側は一切の責任を負いません。
４、近隣は住宅街です。空砲射撃・アイドリング・整備作業等はご遠慮下さい。
５、主砲弾装填状態での入店は固くお断り致します。状況によっては対戦車戦闘警報を発令します。
６、試合中の両替・補給物資購入を目的としたご来店は、ご容赦下さい。
７、当店は戦車兵立寄所です。
このようなルールが定められた背景には、３年前に起こった『コアラのマーチ事件』があります。当時、大洗町は逼迫する財政を改善するため、町内全域を他校戦車道チーム同士の練習試合会場として、貸し出していました。そして６月２２日、遠征して来ていたコアラの森学園戦車隊が、試合中にコンビニでコアラのマーチ（ご当地バージョン）を購入中のところを、対戦相手ワッフル学院の奇襲攻撃を受け、全車全滅したのです。
当初は、単にコアラの森学園側の問題行動とされていましたが、事件の舞台となったコンビニのアルバイト店員さんが、偶然にもワッフル学院の学生だったことが事態を複雑にしました。ワッフル学院陣営による、コンビニを利用した意図的な陽動作戦の可能性も囁かれ、戦車道連盟倫理委員会を巻き込む一大騒動へと発展しました。以後、コンビニサイドも戦車道と適切な距離を保つように文科省から勧告を受け、厳格なルールを明文化するに至ったのでした。
現在、唯一の例外として、試合中でもトイレ休憩のためにコンビニへ立ち寄る事は認められています。が、その場合、店側は大音量であんこう踊りのテーマを流して中立性をアピールし、トイレを借りる戦車道チーム側は、無線アンテナに ”雪隠道” と墨書きしたトイレットペーパーを掲げることが義務付けられています。
実際にこれを行った例は、いまだ報告されていません。
五十鈴華さん、雪隠道規定の存在を知らなかったようですね・・・