実戦です!創作OVA|GIRLS und PANZER 【ガールズアンドパンツァー】非公式サイト|美少女戦車道@徹甲弾.NET

re.png

8o0.png

fff5.png

HOME > 実戦です!創作OVA
戦車道全国大会優勝から2週間。つかの間の休息を楽しむ大洗女子学園チームのもとに、とんでもない練習試合のお話が!!!その対戦相手とは?そして彼女たちは、無事にこの危機をクリアできるのか?

5.png

「何だ、これは?」

分厚い冊子をデスクに放ると、機甲大隊長ヒギンズ中佐は不機嫌に言った。

 「はっ!日本の高等学校で行われている、戦車道であります」

副隊長のボイントン少佐が答える。

 「Sensyado?知らんな・・・こりゃ、単なるハイスクールのクラブアクティビティだろう?」

全く興味もわかず、中佐は気のない返事をした。

WS000004 (2).JPG

 「なぜ我が合衆国軍が、そんな素人の相手をしなければならんのだ?」

 「ですが中佐殿、文部科学省からの正式要請であります。それに、日本はトモダチであります」

 「とにかくだ、こんなお遊びに付き合っとる暇はない。以上だ」

 「はっ!日本語ではこのような対応を、トモダチガイがない、と言うそうであります」

 「マイガッ!」

生真面目に答える副隊長を睨んで、ヒギンズ中佐は吐き捨てた。

 「仕方あるまい。ではポンコツの予備車両で適当にあやして(to baby)おけ。指揮は君に任せる」

 「しょ、小官が、でありますか・・・?」

 「どうした?たかがスクールボーイ相手に、歴戦の貴官がためらう理由などあるまい」

やけに歯切れの悪い副隊長を、中佐は嫌味半分でからかった。

 「い、いえ・・・相手はその、スクールガールなのであります」

 「ホワット?!ジャ、ジャパニーズ・ジョシコーセー!!な、なぜそれを先に言わんのか?!

上官の豹変ぶりに、ボイントン少佐は驚愕した。

 「はっ!申し訳ありません!!」

軍隊生活で培ってきた保身本能が働き、反射的に踵を合わせて謝罪する。

 「おいっ!指揮官はどんなメイドさん、じゃなかった、リトルガールだ?写真はないのか!!」

襲いかからんばかりの勢いで、中佐が畳み掛ける。

 「かりにも同盟国の大切なお嬢様方だ。丁重におもてなしせねばならんからな!!ぐふっ

 「はっ!これがコマンダー ミホ ニシズミ 戦車道のエリート家系出身だそうであります」

 「M O E~~~~~~!!!」

少佐が差し出した写真の少女を見て、ヒギンズ中佐は雄叫びを上げた。

 「は?」

微妙な日本語表現がわからない少佐は、妙な身悶えをする上官を、奇異の目で見つめた。

 「い、いや、何でもない・・・」

慌てて取り繕うと、ヒギンズ中佐は下令した。

 「よし!直ちに第1機甲師団と随伴する自動車化歩兵師団を招集せよ!指揮は私がとる!」

にわかにやる気になった中佐は、鼻息も荒く宣言した。

「作戦名はデザートフォックス、砂漠のキツネだ!」

「ち、中佐殿が?先ほど小官に指揮を任せると・・・それに会場は北海道の雪原で・・・」

「シット!相手は生足の現役女子高生だぞ?貴様、千載一遇のこのチャンスを邪魔する気かっ!」

「ま、まさか中佐殿、ロ、ロリ・・・」

ある結論に思い至り、ボイントン少佐は戦慄したが、それを最後まで言い切ることはできなかった。

「シャラーップ!!土手っ腹にHE弾をぶち込まれたくなかったら、すぐ部隊編成にかかれ!!」

「ア、 アイアイサー!!直ちに部隊編成にかかります!」

dx.png

全国制覇から2週間。まったりとくつろぐみんなを前に、みほさんがブリーフィングしています。

 「というわけで、練習試合をすることになりました」

 「おお、今度はアメリカ陸軍が相手か」

 「パットン戦車軍団の末裔と対戦できるなんて、夢みたいですぅ」

 「チュニジア戦線の二の舞を演じさせてやるぜよ」

みんな、チームワークにも自信が出てきて、言いたい放題です。しかし、浮かない顔の西住隊長。

 「みほ、どうしたの?」

 「西住殿?」

 「う、うん、この試合ね、相手はM1エイブラムス中戦車に、ブラッドレー歩兵戦闘車で・・・」

 「ええっ!?」

 「それって思いっきり現用車両じゃないですか?」

 「ずる~い!」

さすがの大洗女子学園でも、ちょっと相手が悪すぎるようです。

 「よく戦車道連盟が許可しましたわね・・・」

 「戦車道の普及発展と、国際交流のためらしいんだけど・・・」

 「どうやってそんな相手に勝つの・・・グスッ」

 「泣くな!バレー部復活のその日まで!」

またもや皆さん、大騒ぎです。

 「西住!全国大会優勝校として、無様な戦いはできんぞ。どうする?」

 「そこは・・・戦術と腕、かな・・・」

サラリと言ってのける、みほさん。

 「しかし、相手の情報はあるのか」

 「うん。戦車の台数では、私たちのざっと10倍、ってとこ・・・それと・・・」

 「なんだ、早く言え」

促されて、みほさんはサラリと衝撃的な情報を告げました。

 「えっと・・・指揮官はロリコンの中佐さんだそうなので、各車十分警戒してください」

少女たちに走る緊張。

 「なんと・・・10倍の敵、ですか・・・」

 「数では最初から勝負にならんぜよ」

 「至近距離で履帯を狙えば・・・」

 「こそこそ作戦とモクモク作戦、おちょくり作戦を並用しようよ」

 「それよりみなさん、相手指揮官の件の方が・・・」

ざわつく各チームを励ますみほさん。

 「ルールはフラッグ戦だから、戦力を集中すれば大丈夫!諦めたら負けなんです。それに・・・」

自信満々の笑顔で、みほさんは続けました。

 「あまりに戦力差がありすぎる、ということで、今回私達にも誘導式徹甲弾の使用が許可されたの」

 「西住殿、それってまさか・・・」

 「うん、いわゆる、みさいる、かな・・・エヘッ」

そう言うと、みほさんは愛らしく微笑んだのでした。

 「で、隊長、作戦名は?」

再び満面の笑みを浮かべるみほさん。

 「えっと・・・乙女の目覚め作戦・・・はどうかな?」

 「よし、それで決まりだな。締めろ、西住」

 「が、頑張りましょう!」

 「お~!!」(全員)

r.png

遂に北海道の十勝演習場に展開した、米国第1機甲師団第14騎兵連隊A大隊。指揮するヒギンズ中佐は、既に勝ったあとのことばかり考えていましたが、そうもうまく事は運ぶのでしょうか・・・?事情を何も知らされていない将兵たちは、通常の実弾訓練だと思っているようですが・・・

inserted by FC2 system